0001ひよこ ★ [TW]
2022/01/26(水) 06:48:28.96ID:qt+FY+vy9毎日新聞 2022/1/26 06:00(最終更新 1/26 06:00) 733文字
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/01/23/20220123k0000m040182000p/9.jpg
ポーズを取るような姿で泳ぎ去るタイマイ=沖縄県座間味村で、三村政司撮影
思わず「シェー」とか、「ヘンシーン」と声を上げたくなってしまいます。あるいは、横綱の土俵入り?
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もちろん、このタイマイはカメラに向けポーズをとっていたわけではありません。岩陰でカイメンを食べ終え、くるりと身を翻したのです。体の向きを変えようと大きな左右の前脚を交差させた結果、このような面白い姿になってしまいました。
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タイマイはウミガメの一種。英名で「Hawksbill」(タカのクチバシ)と呼ぶように、とがった口とギザギザの甲羅が特徴です。
のんびりした性格で、ヒトが近づいても慌てて逃げ出すことはあまりありません。食事中などだと、横から顔をのぞき込んでも平気なほどです。
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国内では、鹿児島県の奄美群島から南のサンゴ礁域で暮らしています。
写真を撮影した沖縄県の慶良間諸島では、しばしば水中で出くわしますが、世界的には絶滅の危機に直面しています。
国際自然保護連合は、シーラカンスやオランウータンと同じ「絶滅寸前種」に分類し、日本の環境省も、近い将来に野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危惧TB類」としています。
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日本でタイマイの甲羅は古くから高級装飾品「べっ甲細工」の材料として利用されてきました。
現在も商品として加工品が流通していますが、捕獲は禁じられ、野生生物の国際取引を規制する「ワシントン条約」のリストに掲載されていて輸入もできません。
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WWFジャパンは昨年、2000年からの20年間で、タイマイ530匹に相当する564キロもの甲羅が税関で押収されていたとの報告書をまとめ、絶えない日本への密輸入に警鐘を鳴らしました。
今や「海の象牙」なのです。意識の変化が求められています。
(沖縄県座間味村で撮影)【三村政司】