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毎日新聞 2022/1/26 20:25(最終更新 1/26 20:25) 550文字




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小野日子氏=外務省提供

 小野日子外務報道官は26日の記者会見で、政府が「佐渡島の金山」を国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に推薦するかについて、推薦前に「当事者間の対話」を促す指針が世界遺産委員会にあると指摘し、韓国側との事前調整の必要性を示唆した。

 世界遺産委員会は世界文化遺産の登録を決める機関で、世界遺産条約の締約国の中から選ばれた21カ国で構成。同条約は、委員国の3分の2以上が賛同すれば登録すると定めている。小野氏は「実務上、コンセンサスによる意思決定を基本とする運用だ」と言及し、さらに委員会で2021年7月、推薦書を提出する前に当事者間の対話を促す作業指針が採択されていると説明した。



 ユネスコの世界の記憶(世界記憶遺産)については21年4月、日本が主導して加盟国の反対がある限り登録されない「異議申し立て制度」が導入された。世界文化遺産の指針もそれを受けて採択されたもので、政府内には「整合性のある対応をするべきだ」との意見がある。

 佐渡島の金山の推薦を巡っては、韓国政府が「かつて朝鮮半島出身者の強制労働の現場だった」などと反発。日本政府は申請期限の2月1日までの申請を見送る検討に入っているが、地元や自民党保守派から申請を求める声が続出。岸田文雄首相が近く最終判断する見通しだ。【飼手勇介】