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毎日新聞 2022/2/4 06:07(最終更新 2/4 06:07) 579文字




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スターリン様式建築のロシア外務省=モスクワで2015年12月、真野森作撮影

 ロシア外務省は3日、ドイツの公共国際放送「ドイチェ・ウェレ」(DW)の露国内での放送を禁じ、モスクワの支局も閉鎖すると発表した。タス通信によると、独当局が2日、露国営衛星放送「RT」のドイツ語放送の放映を必要な放送免許がないとして禁じたことへの対抗措置。RT側は「政治的圧力だ」と独当局を批判し、独外務省は「2国関係を悪化させる」と反発している。

 タス通信によると、露外務省はDWの支局員に交付した記者証を無効とする。DWを事実上のスパイを意味する「外国エージェント」に指定する手続きも始め、RTの放送禁止に関わった独当局者のロシアへの入国禁止措置も検討する。DWの編集長は「過剰な措置」と反論し、「ロシアに関する報道を強化する」と話しているという。



 RTを巡っては、ロシアのプロパガンダにつながる「偽情報を流布している」と欧米諸国などで批判されており、ドイツ語放送の「RT DE」についても新型コロナウイルスに関する虚偽の情報を流したとして、動画投稿サイト「ユーチューブ」のアカウントが2021年9月に削除された。RT側はセルビアで得た放送免許でドイツでも放送が可能として21年12月に放送開始したが、独当局が認めなかった。

 DWは旧ソ連時代の1962年からロシア語のラジオ放送を始め、01年からロシア語のニュースサイトも開設している。【モスクワ前谷宏】