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2022.02.04

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国内主要ミステリー賞4冠を達成した今村昌弘のデビュー作「屍人荘の殺人」。本格ミステリーと斬新な設定やトリックが見事に融合したストーリーで他を圧倒する高い評価を得て、新人作家としては前代未聞の快挙を成し遂げた。外界と遮断された山荘で起きる密室殺人という古典的な題材から、新しいミステリーの形を作り出した話題作。そんな同作の実写映画で注目されているのが、主演の神木隆之介とヒロインの浜辺美波だ。

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『屍人荘の殺人』で主演をつとめた神木隆之介と浜辺美波

神木は、12歳で主演を務めた『妖怪大戦争』(2005年)で日本アカデミー賞新人賞を受賞するなど幼い頃から天才子役として活躍してきた。『千と千尋の神隠し』(2001年)をはじめスタジオジブリ作品にも多数出演し、上白石萌音とW主演を務めた『君の名は。』(2016年)は世界的大ヒットを記録し、声優としての評価も高い。出演作は『桐島、部活やめるってよ』(2012年)、「SPEC」シリーズや「るろうに剣心」シリーズなど枚挙に暇がない。今年1月末には『ノイズ』、4月には『ホリック xxxHOLiC』の公開も控えている。

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28歳にして26年の芸歴を持つ実力派の神木が『屍人荘の殺人』で演じたのは、ミステリー小説オタクなのに全く推理が当たらない万年助手の葉村譲。どこか冴えないが心優しい青年は神木のハマり役だ。主演ながら極めて普通のどこにでもいそうな大学生役を、違和感なく自然に演じた。リアリティのある神木の存在が、異質な世界観や濃いキャラクターたちと現実をうまく繋いでくれている。

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一方の浜辺は、東宝シンデレラオーディションでニュージェネレーション賞を受賞して2011年にデビューした。大ヒットとなった映画『君の膵臓をたべたい』(2017年)では、可憐なヒロインを瑞々しく好演。日本アカデミー賞新人俳優賞ほか多数受賞するなどブレイクを果たす。

『アルキメデスの大戦』(2019年)の正統派ヒロインから、「賭ケグルイ」シリーズでのギャンブル狂の女子高生など、演技の振り幅の広さも見せた。主演を務める医療ドラマ「ドクターホワイト」も今年1月にスタートしたばかりだ。

近年コメディエンヌとしての才能も開花させた浜辺は、謎の美人女子大生探偵・剣崎比留子を演じる。今作でも白目を剥いたり変顔をしたりとコミカルな演技を披露。透明感のある整った顔立ちに、髪型から服装までとにかく可愛らしい。一風変わった言動の剣崎という濃い人物を嫌味のない愛らしいキャラクターにしている。

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同作では、神木と浜辺演じる探偵たちが、山奥のペンションで想像を絶する異常事態に巻き込まれる。クローズドサークルとなった山荘で起きる、死因もトリックも全てが前代未聞の連続殺人。その謎を解き進めていく中で、彼らのバディ感が高まっていくのもワクワクさせてくれる。神木と浜辺の持ち味が存分に発揮された同作でその魅力を楽しんでほしい。

文=中川菜都美