0001ひよこ ★ [ﾆﾀﾞ]
2022/02/05(土) 10:33:08.36ID:r0wY5zT392022年2月5日 7時0分スポーツ報知
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北京首都空港の前に設置された巨大な五輪とパラリンピックのマスコット（カメラ・矢口 亨）
北京冬季五輪の開会式が４日、行われ、１７日間の戦いの幕が開けた。選手の活躍とともに、会場などに登場する公式マスコットも開催都市のメッセージが込められ、演出に一役買う。東京芸大出身で「自称マスコット評論家」のスポーツライター・宇都宮徹壱さん（５５）が今大会の公式マスコットを分析した。
宇宙服のような衣装に身を包んだ五輪マスコットのパンダの名前は「ビンドゥンドゥン」（冰）。「ビン」は氷の意味で純粋さを現し、「ドゥンドゥン」は活発な子どもを指す。パラのマスコットは灯籠をモチーフにしたとされる「シュエロンロン」（雪容融）。赤い灯籠は春節（中華圏の旧正月、１月３１日〜２月６日）でも街並みを彩り、中国を象徴する伝統的な飾りの一つだ。「氷」と「雪」で「冬」を表現したとされる。
地元メディアによると、パンダには未来や宇宙開発、次世代通信規格「５Ｇ」のイメージを込めたとされる。中国の国力を前面に出す狙いもある。パンダの回りの透明な衣装は、氷砂糖の菓子から取り入れ、カラフルな耀きを放つ。
東京芸大大学院美術研究科を卒業し、欧州や国内のサッカークラブなどのマスコットやキャラクターに詳しい宇都宮さんは、過去の五輪と比較し「違和感を感じた」という。「五輪、パラのマスコットに、共通性や統一感がない。デザイン、コンセプトもそれぞれ全く違います」と指摘する。２１年東京大会の「ミライトワ」（五輪）、「ソメイティ」（パラ）など、マスコットが複数ある場合、デザインやコンセプトに共通するものがあったが、今回はそれぞれデザイナーが違う可能性もあるという。
宇都宮さんは「目」の部分に注目する。「五輪マスコットの目には光が入り、立体的です。ハリウッド、ディズニーのキャラクターのような目の描き方です」。一方で、パラのマスコットの「目」は黒い丸で表現され、白目の部分がない。「ハローキティの目に近いのかなと思います」。マスコット自体が「動物」と「物体」で一致していない。
０８年夏季の北京五輪のマスコットは、５体のキャラクターで構成され、１体は今回と同様にパンダが採用された。５人の小さな子供たちの名前を並べると「北京へようこそ」となるなど、工夫もみられた。デザインについては中国独特のものだったと分析する。「当時はあまり、世界を意識してなかったのではないでしょうか。白目がほとんどない描き方は、中国の伝統的な民芸品やキャラクターで見られます」
では、どちらの方がデザインとして優れているのか。宇都宮さんは、０８年のマスコットは高く評価するという。「０８年は中国らしさや統一感がありましたし、７０点かな。今回は６５点ぐらいでしょうか。中国が大会を通じ、このマスコットを使ってどのように演出するのか、非常に興味深いですね」
〇…宇都宮さんが歴代マスコットの中で１００点満点と評価するのが、１９８０年夏季モスクワ五輪で、熊をモデルにした「ミーシャ」＝写真＝。絵本作家のヴィクトル・チジコフ氏がデザインし、日本でも関連グッズが飛ぶように売れた。「ソ連時代の話ですが、共産主義の国からこのようなキャラクターが生まれるとは思いませんでした」。２１年東京大会のマスコットは「投票で選んだということもありますし、落ち着いた感じです。７０点です」と採点した。
◆宇都宮 徹壱（うつのみや・てついち）１９６６年３月１日、東京都生まれ。５５歳。東京芸大大学院美術研究科修了後、テレビ制作会社勤務を経て９７年に独立。国内外でサッカー取材を中心にスポーツライターとして活動する。著書に第２０回ミズノスポーツライター賞最優秀賞を受賞した「フットボールの犬 欧羅巴１９９９―２００９」など多数。
