0001ひよこ ★ [ﾆﾀﾞ]
2022/02/05(土) 18:16:09.04ID:r0wY5zT39毎日新聞 2022/2/5 17:52（最終更新 2/5 17:52） 1147文字
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北京冬季五輪の開会式で、トーチを聖火台に運ぶ聖火リレー最終走者の趙嘉文選手（右）とジニゲル・イラムジャン選手＝北京・国家体育場で2022年2月4日午後10時15分、手塚耕一郎撮影
4日夜に北京市の国家体育場（通称「鳥の巣」）で行われた北京冬季オリンピックの開会式で、聖火リレーの最終走者はスキー距離（クロスカントリー）女子でウイグル族のジニゲル・イラムジャン選手（20）とノルディックスキー複合男子の趙嘉文選手（21）の中国代表男女2人が務めた。大会前、中国の新疆ウイグル自治区の人権問題は各国から批判され、米国などは外交的ボイコットに至った。
「選手の皆さんは選手村の一つ屋根の下で平和に暮らす。そこでは、いかなる理由の差別も一切ない」。開会式のあいさつで国際オリンピック委員会（IOC）のトーマス・バッハ会長が自信満々に語った。その30分ほど後に出てきた聖火リレーの最終走者は、2人のうち1人がウイグル族の選手だった。
「平和の祭典」を掲げる五輪の開催国に人権問題があることには国際社会から批判が集まってきたが、IOCは「政治的中立」を理由に具体的言及を避けてきた。3日の記者会見でバッハ氏は「政治権力の対立の中に入れば五輪の存続がリスクにさらされる」とまで語っていた。しかし一転して、開会式で自ら問題に足を踏み入れた形になった。
家族と連絡を取れなくなっているという日本ウイグル協会副会長のレテプ・アフメットさんは「中国はパフォーマンスをよくやるので驚かなかった。きれいなところだけを見せて、それ以外は徹底して隠す。家族と生き別れを強いられているさなかに何もなかったかのように『平和の祭典』をやることは許せない。1人を最終走者に登場させて済む問題ではない」と憤る。
最終走者は開催国側が決め、IOCが承認する。アジア地域研究を専門とする大阪工業大の川田進教授は「表面的には、漢族（の男子選手）とウイグル族の選手を同時に起用することで民族間の融和と団結力を国内外に示した」とする。だが、開催国自らがウイグル問題に踏み込む姿勢を示したことで「『ウイグルの人権侵害を改善せよ』という外国からの批判に、中国政府は一歩たりとも後退しないという決意表明と読み解くことも可能だ」と推測する。
新疆ウイグル自治区の事情に詳しい水谷尚子・明治大准教授（中国近現代史）は「中国国内で差別がある以上、五輪の中では差別がないと宣伝しても無意味だ。今回に限らず、政府に従順なふりをせざるを得ないウイグル人を宣伝として出演させる動画は多い」と変わらぬ実態を指摘する。
IOCはこれまでも開催経費やスポンサー収入で欠かせない中国にすり寄ってきており、中京大の來田享子教授（五輪史）も「他の聖火ランナーの民族の構成がどうだったかについての検証も必要だが、特別にウイグル出身選手1人を入れたのならば、五輪は権力側の政治メッセージの片棒を担いだことになる」と厳しく批判した。【北京・小林悠太、倉沢仁志】
