https://mainichi.jp/articles/20220205/k00/00m/030/289000c

毎日新聞 2022/2/5 20:30(最終更新 2/5 20:42) 有料記事 1096文字




https://cdn.mainichi.jp/vol1/2022/02/05/20220205k0000m030293000p/9.jpg
開会式で聖火リレーの最終走者を趙嘉文選手(右)とともに務めるジニゲル・イラムジャン選手=北京・国家体育場で2022年2月4日午後10時15分、手塚耕一郎撮影

 北京市の国家体育場(通称「鳥の巣」)で4日夜に開かれた北京冬季オリンピック開会式で、ノルディックスキー距離(クロスカントリー)に出場する新疆ウイグル自治区出身の少数民族ウイグル族の女子選手が、別の男子選手とともに聖火リレーの最終ランナーを務めた。ウイグル族に対する人権侵害を理由に欧米諸国が外交的ボイコットを表明する中、あえて渦中の民族の選手を起用した背景には民族融和を国内外に強調し、国の威信をかけた五輪に対する批判をかわす狙いがあるとみられる。

 聖火ランナーを務めたのはジニゲル・イラムジャン選手(20)。開会式では1950年代生まれで中国国内記録を何度も塗り替えた元スピードスケート選手がトーチを持って入場し、順々に年代が若返るように五輪メダリストら4人にリレー。最後にジニゲル・イラムジャン選手とノルディック複合男子に出場する趙嘉文選手(21)の手に渡され、2人は会場中央に設置されたオブジェにトーチを差し込む形で聖火台を完成させた。

 新華社通信などによると、ジニゲル・イラムジャン選手は新疆北部のアルタイ地区に生まれ、クロスカントリー選手だった父の影響で12歳で競技を開始。国際大会で上位に入ったことはあるものの国内外での知名度が高いとはいえず、注目されていた最終走者への起用は「異例」ともいえる。新華社通信は5日に配信した記事で…

この記事は有料記事です。
残り525文字(全文1096文字)