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2022年2月6日 12時0分スポーツ報知

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金子恵美



 私の出身地である新潟の佐渡金山を世界文化遺産候補として推薦する方針を政府が示しました。私は新潟県議時代から、県や佐渡市、また地元企業が登録を目指し熱心に取り組んできた姿を見てきました。

 これまでは他にも有力候補がありましたが、本年度は推薦を目指す他の候補地がなく、「今年こそは!」と期待していました。佐渡金山は大規模な金の採掘を手掘りで行っていたという技術や、江戸時代の金生産システムが産業史において非常に重要なものであり、手工業文化の象徴として極めて価値が高いものです。

 ただ今回、世界文化遺産登録推薦に関して、韓国が反対の声明を出しました。日韓の歴史認識とそのものの価値とは別問題で、外交問題にすること自体がナンセンスなのです。まして今回の推薦内容は江戸時代までに限られており、「強制労働があった場所の推薦は撤回すべし!」と言う韓国の要求は筋違いであります。

 毅然(きぜん)と、淡々とこのことを主張すればいいだけなのに、一時推薦見送りか、との報道があった時には耳を疑いました。韓国の圧力に対し外務省の面倒なことにしたくないという“事なかれ体質”があったからですね。事実、永田町の関係者によると、このことをリークしていたのは外務省でした。言語道断です。

 登録に向けては、外務省の邪魔を乗り越え、やっと国内のハードルをクリアしただけの状態であり、この後、世界遺産委員会にその文化的価値を認めてもらわなければ実現しません。日本国民も一人一人がこのことを理解し、強い意志を持ってわが国の誇りである佐渡金山の世界文化遺産登録に向けて臨んでいき、今後の丁寧な説明、発信によって国際社会に正しい理解が得られることを心から願っています。(元衆議院議員・金子恵美)