2022年02月06日12時00分



日本に輸入された中国産のアサリが「熊本産」として出回っていたことが発覚、スーパーなどからアサリが消えるなど衝撃を広げている。

食品の生産や流通の過程で繰り返される「産地偽装」。信用回復にはしばらく時間がかかりそうだ。

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おいしそうなアサリの酒蒸し(写真と本文は関係ありません)



「報道特集」がスクープ
この問題は2022年1月22日、JNNが「報道特集」で大々的に報じて明らかになった。3年間の追跡取材に基づいたというショッキングな内容だった。

食品表示法によると、海外原産の水産物でも、日本の海に運び入れて成育した期間(蓄養期間)が原産国より長いものは国産と表示できる。ところが、熊本では、国内での蓄養期間は1週間程度、もしくは全くゼロのアサリを、書類上は中国で育った期間よりも有明海などの干潟で蓄養した期間の方が長くなるように見せかけ、「熊本産」として出荷していたという。

内部告発した元業者が、顔出しで取材に応じ、熊本産とされているアサリは「ほぼ100%」が中国産だと証言していた。

農林水産省は2月1日、アサリのDNA調査などをもとに、「熊本産」として販売されるアサリの97%に「外国産が混入している可能性が高い」と発表した

有明海などに干潟が広がる熊本県は、かつて全国でも有数のアサリの産地だった。1977年には6万5732トンを漁獲するなど、一時は日本一の漁獲を誇っていたが、近年は深刻な不漁が続いて出荷量が激減。こうした「偽装」が行われるようになったようだ。


保管技術の進歩で偽装が容易に
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