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[ 2022年2月7日 05:30 ]

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羽NEWS99号
Photo By 提供写真

 北京冬季五輪フィギュアスケート男子の羽生結弦が8日、いよいよ3度目の五輪に挑む。2011年に「羽生結弦君を応援する会」を設立し、会報「羽NEWS(はにゅーず)」を現在99号まで発行している坂田俊晃さん(62)は、ショートプログラムを前に「結弦君らしい演技をしてほしい」と語った。

 坂田さんの長男・裕熙(ゆうき)さん(27)は、羽生と仙台市立七北田小・中の同学年。自閉症があり特別支援学級に所属していたが、教師を通じて一緒に遊ぶなど交流が生まれたという。

 2人は2010年に中学校を卒業。翌11年に東日本大震災が襲った。練習拠点が被災した羽生は各地のアイスショーに出演しながら全国を転々とする生活を続ける中、同年6月に坂田さん一家が震災後に移住した金沢を訪れた。

 ショーの前日に関係者を通じて対面する機会が設けられたが、長男は体調不良となり、その場に行くことができなかった。坂田さんが「裕熙のこと、覚えている?」と聞くと、羽生は「覚えてるに決まってるじゃないですか」と満面の笑み。坂田さんは「息子が迷惑を掛けていたんじゃないかと気がかりだった。その笑顔に救われました」と振り返った。

 翌日、体調が回復した長男とアイスショーを見学。同じ境遇の中で頑張っている羽生の姿に胸を打たれ「応援する会」を結成した。

 最初は地元・金沢を中心に会員が集まったが、羽生の活躍とともに全国から申し込み。現在は約160人の会員がいる。「結弦君の活躍から元気をもらっている人がこんなにいるんだと改めて実感しました」と顔をほころばせる。

 主に大会の前後などに会報を発行し、羽生の活躍を掲載。被災地の手助けをしたいという思いもあり、羽NEWSには宮城の情報も載せている。

 羽NEWSは北京五輪後に100号を発行予定。「たくさんの勇気をもらってきましたし、大会に出てくる彼を応援できるだけでありがたいこと。100号は、これまでたくさんの人に勇気を与えてきた結弦君の活躍を称える内容にしたい」と語った。