日本市場に再参入を表明した現代自動車は、系列の起亜自動車をあわせると、21年の世界販売が667万台で世界屈指のグループだ。日本は主な市場のうち唯一の空白地帯で、再挑戦の機会をうかがってきた。

 「環境に優しいブランドというイメージの基盤をしっかり確立していく」。現代の鄭義宣(チョンウィソン)会長(51)は1月3日の年頭のあいさつで、こう強調した。再参入について幹部は「ブランドイメージ確立のためには日本市場はうってつけの場。目の肥えた消費者に評価されれば世界でも通用するからだ」と語る。

 現代は01年1月に、日本市場に参入した。02年のサッカーのワールドカップ(W杯)の日韓共催で販売を促進しようとした。05年には韓国の人気俳優ペ・ヨンジュンさんをテレビCMに起用したが、ブランドイメージの構築に苦しんだ。販売は低迷し、09年12月に撤退していた。

 現代の張CEOは09年の撤退について「最大の原因は大切なお客さまの声にしっかりと耳を傾けることができていなかったことだ」という。再参入に向け「迷途知返」という言葉を挙げ、「一度道を誤った後に正しい道に戻って改める」と意味を解説した。

 現代は先行きは楽観していない。日本法人「ヒョンデ・モビリティ・ジャパン」の幹部は、ブランドをこれから認知してもらう必要があると認める。販売目標についても、「明確には設定していない」とした。

ロボットやAIにも参入 「代替わりで雰囲気変わった」
 現代の業績は順調だ。21年…(以下有料版で、残り654文字)

朝日新聞 2022/2/8 19:53
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ286GV2Q28ULFA013.html?iref=sptop_7_04