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2022/2/9 20:16


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立憲民主党が、今年夏の参院選埼玉選挙区(改選数4)に向けて危機感を強めている。旧民進党時代から、自公両与党と議席を分け合う「指定席」ともいえる環境で戦いに臨んできたが、国民民主党と競合する構図が確実となり、「民進党票」の争奪戦が避けられないからだ。しかも、国民民主党が推薦するのは、前埼玉県知事として選挙区内に厚い地盤を擁する無所属現職の上田清司氏(73)。先の衆院選での低迷を挽回し、野党の「盟主」としての存在感を示すことは容易ではない。

「自公の強さ、上田氏の強さは十分に分かっている。『支え合いの社会』への転換が必要だと有権者に伝われば勝機はある」

立憲民主党が埼玉選挙区で擁立する新人で県議の高木真理氏(54)は9日、さいたま市内のホテルで開いた記者会見で議席獲得への強い意欲を語った。

高木氏は、さいたま市議2期を経て平成23年の県議選南4区(同市北区)で初当選し、現在3期目。昨年の衆院選埼玉15区で落選した立憲民主党の高木錬太郎元衆院議員の妻でもある。

県議や市議としての実績は高く評価されているが、県全域をエリアとする選挙区に挑むには知名度などの点で不安を抱えているのも事実だ。

令和元年の改選も、旧立憲民主党と旧国民民主党が争う「民進党系分裂」の構図ではあった。しかし、旧立憲民主党が市議などの経験がある候補を立てたのに対し、旧国民民主党の候補はほぼ無名の新人で、「競合」と呼ぶほどの厳しい戦いにはならなかった。

今回の改選で、支持層が重なる国民民主党が知事4期の実績を持つ上田氏を担ぐことになったのは、立憲民主党にとって手痛い展開といえる。

上田氏の推薦を決めたことに伴い、国民民主党は埼玉選挙区での独自候補擁立は見送る方向だ。上田氏は党県連代表の鈴木義弘衆院議員らと関係が深く、事実上の公認候補と位置づけて戦いに臨む可能性もある。

高木氏の記者会見に同席した立憲民主党の西村智奈美幹事長は「埼玉選挙区は各党が候補者を擁立し政党間の戦いが激しい」との認識を示した上で「野党第一党として議席を得ることは必須だ。党の支持層だけでなく、他の候補に行きがちな支持も切り崩す」と力を込めた。(中村智隆)



■立候補予定者(4―7)

関口 昌一68 党参院会長  自現

高木 真理54 県議     立新

西田 実仁59 党参院会長  公現

梅村早江子57 元衆院議員  共新

河合 悠祐40 派遣会社役員 N新

湊  侑子39 製材会社役員 諸新

上田 清司73 前知事    無現

【国】