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2022/2/10 11:29


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細川護煕元首相(左)と小泉純一郎元首相(小野淳一撮影)

松野博一官房長官は10日の記者会見で、首相経験者5人が東京電力福島第1原発事故で多くの子供が甲状腺がんに苦しんでいるとの見解を欧州連合(EU)の欧州委員会に送付し、日本政府が誤った認識だと抗議した問題で、元首相側の主張をまとめた書簡が山口壮環境相宛に届いたと明らかにした。

5人の意見を取りまとめたとする民間団体から2月6日付で文章が送付。関係者によると、政府への反論や質問で10日を期限に山口氏に回答を求めている。

松野氏は環境省で対応を検討中とし、「科学的知見に基づく発信を行い、放射線の健康影響に関する風評の払拭に取り組む」と述べた。

問題は、EU行政を担う欧州委員会が地球温暖化対策に資する投資先として原発を認定する方針を示したことに対し、小泉純一郎氏、細川護煕氏、菅直人氏、鳩山由紀夫氏、村山富市氏が撤回を要請。1月、委員長に送付した書簡で「多くの子供たちが甲状腺がんに苦しみ」などと言及した。

山口氏は5人に抗議する書簡を送付し、2日にはパトリシア・フロア駐日EU大使と面会して誤りの内容を伝えた。政府側は、福島県の検査で見つかった甲状腺がんについて、国内外の公的専門家会議が「現時点で放射線の影響とは考えにくい」との見解を示していると主張している。