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2022年02月10日20時31分

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アルゼンチンのフェルナンデス大統領(左)と中国の習近平国家主席=6日、北京(アルゼンチン大統領府提供)(AFP時事)




 【ロンドン時事】英国とアルゼンチンが領有権を争った英領フォークランド(アルゼンチン名マルビナス)諸島をめぐり、中国がアルゼンチンの主張を支持したことに英国が猛反発している。新疆ウイグル自治区の人権侵害や香港などで対立する英中間の新たな火種となっており、一段の関係悪化は避けられそうにない。


 中国の習近平国家主席は6日、北京冬季五輪の開会式出席のため訪中したアルゼンチンのフェルナンデス大統領と会談。両首脳が署名した共同声明で、アルゼンチンは台湾に関する中国の主張に、中国はフォークランド諸島の領有権をめぐるアルゼンチンの主張にそれぞれ支持を表明した。
 これに対し、トラス英外相はツイッターで「フォークランドは英国の家族の一員であり、われわれは彼らの自己決定権を擁護する。中国はフォークランドの主権を尊重せよ」と怒りをぶちまけた。
 南大西洋上のフォークランド諸島は、英国が1833年から実効支配している。1982年には領有をめぐって英国とアルゼンチンの間で紛争が起きた。2013年に帰属をめぐる住民投票が行われ、99.8%の島民が英国残留を選んだ経緯がある。
 トラス氏の主張に対しては、英国からの独立運動が盛んな北部スコットランドの独立派から「フォークランドに自己決定権があるのに、スコットランドにはないのか」として、独立の是非を問う住民投票の再実施を求める声も上がっている。