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毎日新聞 2022/2/11 17:00(最終更新 2/11 17:00) 有料記事 2169文字




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河合恵子被告が実質的に経営していた葬儀会社=神奈川県大和市で2022年2月4日午前11時45分、池田直撮影(画像の一部を加工しています)

 変死体が見つかった際、知人の警察官の妻が経営する葬儀会社を遺族に勧める見返りに現金などを受け取ったとして、受託収賄罪で起訴された神奈川県警の元警部補、加藤聖被告(48)の初公判が15日、横浜地裁で開かれる。別審理となった贈賄側の公判では、以前から警察官が葬儀会社から商品券などを受け取る慣習があったと指摘された。関係者への取材を進めると、「お得意さん」として接待攻勢をかける葬儀会社と警察との特殊な癒着関係が浮かび上がった。

 この事件は2021年10月に明らかになった。起訴状や県警の発表などによると、事件の筋書きはこうだ。

 大和署刑事1課に所属していた加藤被告は19年3月ごろから20年1月ごろまでに、変死体を搬送する際、元宮前署警部補の河合博貴被告(65)の妻恵子被告(60)=いずれも贈賄罪で起訴=が実質的に経営する葬儀会社「林間葬祭」(同県大和市)を優先的に遺族に紹介するよう河合被告から依頼を受け、見返りとして現金計127万円と商品券137枚(計68万5000円相当)を受け取ったとされる。

 加藤被告と河合被告は05年ごろ、県警本部の捜査1課で3カ月ほど机を並べており、先輩後輩の間柄だった。

 神奈川県警では変死体が出た場合、警察署や検視などをする医師のもとへの搬送に加え、その後の火葬場や斎場への搬送は、いずれも遺族が葬儀会社に依頼するのが慣例となっている。…

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