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2022/2/11 19:36


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「クアッド」外相会合で会談する(左から)米国のブリンケン国務長官、オーストラリアのペイン外相、モリソン首相、インドのジャイシャンカル外相、林外相=11日、オーストラリア・メルボルン(AP=共同)

【シンガポール=森浩】オーストラリアとインドは通商面や安全保障面で中国の圧力に直面しており、日米との協力枠組み「クアッド」の結束を強め、対中牽制(けんせい)につなげたい考えだ。今回の外相会合や今春に予定されている首脳会合を通じ、具体的な連携が拡大することを期待している。

「大切なのはわれわれの価値観を守ることだ。そうすれば脅かそうとする人たちに立ち向かうことができる」。豪州のモリソン首相は11日のクアッド外相会合に出席し、こうあいさつした。中国の名指しは避けつつ、民主主義の価値観を共有する4カ国による連携の重要性を強調した。

豪中関係は、豪州が新型コロナウイルスの発生原因の調査を要求したことを契機に「史上最悪」と言われるまでに冷え込んでいる。中国は豪州ワインや大麦への高関税設定など通商面での圧力を強化。豪州では対中警戒感が急速に強まっており、モリソン政権は中国を念頭に海洋面での軍備増強にも乗り出した。

クアッドに期待するのはインドも同様だ。中国はインド北部の係争地に軍を駐留させ、橋梁(きょうりょう)や道路建設などを進めている。中国に緊張を緩和させる気配はなく、インド政府は「現状を力で変更する試みだ」などと批判を強めている。

インド外務省関係者は地元メディアに対し、「クアッドは理念を現場に反映させる時期だ」と指摘。安全保障面やサプライチェーン(供給網)構築などで協力を深化させる必要性を強調した。