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毎日新聞 2022/2/12 12:00(最終更新 2/12 12:00) 有料記事 2946文字




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新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触した可能性を知らせるスマートフォン向けアプリ「COCOA(ココア)」=東京都内で2021年2月20日、吉田航太撮影

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の影響で国内感染が急増する中、あのアプリを思い出した人もいるだろう。感染者に濃厚接触した可能性を知らせる政府の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」だ。2020年6月に運用が始まったが、不具合続きで評判は散々という印象が強い。今こそ真価を発揮してもらいたいツールだが、現状は一体どうなっているのだろうか。

「初めて通知が来た!」
 「スマートフォンにはアプリをいっぱい入れているから、ココアは埋もれてしまっている。『そういえばあったな』という感じ」

 東京都港区の女性(28)にココアを使っているか尋ねると、こんな答えが返ってきた。女性は21年の年末に何人かで食事をした。参加者が陽性判定を受けたが、女性のココアに通知は来なかったという。「『おかしいな』と思った」と不安を漏らす。

 川崎市の男性会社員(46)も「アンインストール(アプリを削除)するほどではないので一応、入れてはいる」と話す。これまでに通知を受けたことはなく、男性のスマホの画面には「利用開始から522日」と表示されていた。

 半ば忘れ去られているココア。ただ、足元で感染者数が急増する中で、ココアからの通知を受けたという人も目立ち始めた。ツイッター上では「久しぶりに開いたら初めて接触通知があった!」「1年使ってて初めて通知がきた!」といった書き込みが確認できる。きちんと作動はしているようだ。

ココアの仕組みは?
 そもそもココアとは、どういったアプリなのか。スマホの近距離無線通信(ブルートゥース)の機能を使い、「濃厚接触者」の定義に基づいて利用者同士が1メートル以内に15分以上いた場合、接触履歴をお互いのスマホに記録する。一方が感染者となった場合にアプリに「陽性登録」すると、もう一方に接触情報が通知される仕組みだ。

 ただし、双方がアプリをダウンロードしていないとココアは稼働しない。また、利用者が陽性者となってもその情報をココア上で登録しなければ、接触可能性のある人に通知されない。スマホにココアを入れていても、陽性反応が出た相手がココアを入れていなかったり、陽性反応を登録しなかったりすれば、接触したかどうかを知ることはできないのが現実だ。

登録者はまだ3割弱
 一体、今はどのぐらいの人がココアを活用しているのだろうか。



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