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2022/02/13(日) 18:30:21.99ID:KqFEbdqq9毎日新聞 2022/2/13 16:52（最終更新 2/13 17:49） 有料記事 2302文字
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広瀬爽彩さんの遺体が見つかった公園。遊具は雪に埋もれていた＝旭川市で2022年2月10日午前11時15分、高橋由衣撮影
家を出て行ったあの日、最低気温は氷点下10度。少女はどんな思いを抱え、雪道を歩いたのか――。北海道旭川市で2021年2月、市立中学2年だった広瀬爽彩（さあや）さん（当時14歳）が失踪してから13日で1年。その足跡をたどり、いじめに苦しんでいた彼女の胸の内に迫った。そして脳裏に浮かんだのは、強い孤独感にさいなまれ「白い砂漠」をさまよった最期の姿だった。
今月9日、広瀬さん宅近くに車を止め、外に出た。自宅から失踪したのと同じ午後6時ごろ、気温は氷点下3度。すっかり日は暮れ、街灯の明かりを頼りに約2キロ離れた公園を目指した。失踪から1カ月後、雪に埋もれていた広瀬さんの遺体が見つかった現場だ。失踪後の足取りは分かっていないが、そこにたどり着いたのは確かだ。
パーカに薄手のズボン姿で見つかった広瀬さんと似たような格好で雪道を歩き始めた。約5分後、指先の感覚が徐々に失われていくのが分かった。鼻は凍り付きそうで、気付けば口から息を吐いていた。比較的大きな通りを歩いたため、車の通りは多い。だが、すれ違ったのは1人だけ。約25分で公園に着いた。手や顎（あご）、太ももに裂けるような痛みを感じ、我慢できずにコートを羽織った。
公園に除雪された形跡はく、金属製の遊具は半分ほどの高さまで雪に埋もれている。中央に向けて歩き始めると、足首までがズボッと雪にはまった。失踪当日の積雪は約65センチ。広瀬さんも雪深い園内を歩いたのだろうか。1歩、2歩と踏み出すと、3歩目で雪は膝近くまで迫った。バランスを崩し、倒れ込みそうになりながら歩を進める。気付けば、息が上がっていた。
ふと周囲を見渡すと、しんと静まりかえっている。暗がりの中で、かすかに車と電車が走る音が聞こえるだけだ。誰もいない「白い砂漠」に取り残されたような感覚に陥り、突然強い孤独感に襲われた。ズボンが膝下まで凍っているのに気付き、疑問が頭の中を巡った。「なぜ、凍死しなければならなかったのか」――。
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