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2022/02/13(日) 20:24:08.53ID:KqFEbdqq9毎日新聞 2022/2/13 19:55（最終更新 2/13 19:56） 1297文字
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屋根が一部黒く変色した同社荒川工場＝村上市長政で2022年2月12日午後3時52分、露木陽介撮影
新潟県村上市長政の米菓製造大手「三幸製菓」荒川工場で11日深夜に発生した火災。村上署などによると、出火当時、建物内では三十数人が作業をしており、清掃担当のアルバイト従業員の女性4人の死亡が確認され、知人からは悲痛の声が上がった。火災は煎餅の製造ラインがある建物で発生し、同署などは13日朝から実況見分し、詳しい出火原因を調べる。【内田帆ノ佳、露木陽介、池田真由香】
11日午後11時45分ごろ、警備会社が火災を確認し、通報。消防・救急車両約22台が出動し、現場周辺は消防隊員の声やサイレンが響くなど騒然とした。その間、工場からは黒煙が上り続け、周辺には焦げたような匂いがたち込めた。
新潟市の会社員、松田大輝さん（19）は12日午前3時ごろ、工場近くで車を運転していて煙を目撃した。現場から500メートル離れた場所まで車で近づき、動画を撮影。「パーン」と高い破裂音が複数回聞こえ、「見た目の火の勢いがすごかった」という。
同署によると、死亡が確認された4人は、渡辺芳子さん（71）＝村上市長政▽伊藤美代子さん（68）＝胎内市下館▽近ハチヱさん（73）＝同市東牧▽斎藤慶子さん（70）＝同市土作。工場内で作業をしていて火災に巻き込まれたとみられ、建物内の東側出入り口付近に心肺停止の状態で倒れているところを発見された。
渡辺さんの自宅近くに住む女性（85）は「亡くなったと聞き、涙が止まらない。誰にでも優しかったのに亡くなってしまうとは」と肩を落とした。別の女性（69）も「花好きでよく庭を手入れしていた。火事に巻き込まれてしまうなんて」と声を震わせた。
死亡が確認された女性4人の元同僚という女性（75）はショックを隠せない様子で、特に渡辺さんと親しかったといい、「温厚な人柄で職場のリーダーを務めていた」と振り返った。
工場に勤務する住人も多い近隣集落の区長、渡辺誠市さん（73）は「煙の量が多く、暗いが空が炎で赤くなっていた。これまでも度々、工場でボヤがあったことは消防無線などを通じて知っているが、大抵はすぐ鎮火していた。今回はなかなか消えず、まさか人が亡くなるような火事になるとは」と驚いた様子で話した。
村上署によると、荒川工場では2019年11月にも天井の一部や機械などが焼ける火災があったという。
三幸製菓を巡る過去の工場火災
◆2020年 5月 新潟市北区の新崎第3工場から出火し、2階にあったせんべい乾燥機の上部などが焼ける。火元は乾燥機付近の配管とみられ、電気系統がショートした可能性
◆2019年11月 村上市長政の荒川工場から出火し、1階天井の一部などが焼ける。火元は乾燥機とみられる
◆2019年 7月 新崎第2工場の1階部分の一部が焼ける。約25人の従業員がいたが、避難して無事。火元はせんべいを焼くベルトコンベヤー付近で、せんべいを焼き上げる工程で植物性油脂に引火したとみられる
◆2011年 7月 新崎の工場でベルトコンベヤーの一部が焼ける
◆2006年 5月 第1工場2階から出火し、ベルトコンベヤーが焼ける。従業員3人が軽傷。焼きすぎた菓子から燃え移ったとみられる
