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毎日新聞 2022/2/13 21:04(最終更新 2/13 21:04) 581文字




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実況見分のため火災現場の建物に入る消防隊員ら=新潟県村上市長政で2022年2月13日午前11時41分、北村秀徳撮影

 新潟県村上市の米菓製造大手「三幸製菓」荒川工場で11日深夜に発生し5人が死亡した火災で、県警と市消防本部は13日、現場の実況見分を実施し、出火原因などを調べた。安否がわからない1人はこの日も見つからず、14日にも引き続き捜索する。

 実況見分は約60人態勢で実施し、焼け焦げて変形したシャッターや全焼した建物の内部の状況を確認した。崩れた天井や鉄骨が折り重なった場所では火がくすぶったため放水した。新潟労働局と総務省消防庁も調査に入った。



 県警や消防によると、火災が起きた建物は煎餅などの製造工場で、普段は焼いたり乾燥させたりする一連の工程のラインが24時間態勢で稼働していた。出火当時は一部のラインを止めて機械を清掃していたとみられる。建物内にいた30人余の従業員の一部が「焼く工程で菓子のかすから出火した」と証言したという。

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火災があった工場のそばで花を手向け、手を合わせる人たち=新潟県村上市長政で2022年2月13日午後3時41分、北村秀徳撮影

 火災では清掃担当のアルバイト従業員だった60〜70代の女性4人の死亡が確認され、焼け跡から身元不明の1人の遺体が見つかった。製造担当の男性従業員2人の安否が不明となっており、遺体は男性の1人とみられる。



 工場には献花に訪れる人もみられた。従業員の30代女性は「巻き込まれた人たちを思うと心苦しい。(会社側は)最近、防災訓練や避難放送などで安全管理に力を入れているようだったが、火災が起きてしまい、とても残念だ」と話した。【北村秀徳】