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2022/02/15(火) 09:00:16.13ID:w62hXpTi9毎日新聞 2022/2/15 05:00（最終更新 2/15 05:00） 有料記事 1726文字
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JR西日本は、駅構内での若者による声かけに注意を呼びかけている。「違法勧誘行為」が多発しているという＝JR西日本提供
第2部「マルチ商法のわな 被害者から学ぶ対処」②
育て方が悪かったのだろうか……。関西地方に住む女性は、20代の息子が「事業家集団」の構成員として活動していることを知って以来、自分を責め続けている。息子は親の忠告に耳を傾けようとはしない。成人が自らの意思で参加している限り、連れ戻す手段はない。
息子は大学卒業後、大阪府内の会社に就職した。1人暮らしを始め、「福利厚生が充実していて働きやすい」と満足そうだった。
息子の変化に気づいたのは、新型コロナウイルスの感染が国内でも広がり始めたころだった。落ち着きなく誰かと電話したり、スマートフォンをいじったりする時間が長くなった。息子はよく実家に顔を出したが、会うたびに様子はおかしくなっていた。生気がなく、会話が続かない。食事を済ませると、すぐに部屋に籠もってしまう。
「仕事、そんなに忙しいの？」。心配になって尋ねると、驚きの返事があった。「会社は辞めた。事業を起こすため、仲間たちとがんばっている」
突然の告白に、言葉を失いかけた。しかし、黙っているわけにはいかない。どんな事業なのか、どうがんばっているのか――。質問を重ねた。息子の口から出てくるのは、要領を得ない言葉ばかりだ。つい問いただしてしまうと、あからさまに機嫌が悪くなり、「うるさいな。もう大人なんだから、ほっといてくれ」。部屋に逃げ込んでしまった。
「事業家集団に入っているの？」 否定しない息子
電話、「LINE」、顔を見るたび、何度も尋ねてみた。なんとか答えを聞きたいとの願いは届かず、息子からはまったく返事がなかった。不安を抑えきれず、インターネットで検索してみた。転職、睡眠不足、時間に追われる……。息子の変化を検索サイトに打ち込むと、あるツイートを発見した。マルチ商法の疑いがある組織「事業家集団」元構成員が注意を促すために作成したアカウントだった。
読み進めると、特徴がすべて息子に当てはまった。ある会社の美容用品を毎月15万円分購入するという「自己投資」も息子から聞いていた。「何かがおかしい」と思っていたことばかりだったが、…
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