https://mainichi.jp/articles/20220215/k00/00m/030/009000c

毎日新聞 2022/2/15 06:53(最終更新 2/15 08:55) 669文字




https://cdn.mainichi.jp/vol1/2021/02/08/20210208k0000m030096000p/9.jpg
ロシアのプーチン大統領

 ロシアのプーチン大統領は14日、米欧諸国に求める北大西洋条約機構(NATO)の東方不拡大などの問題についてラブロフ外相と協議し、米欧との交渉を今後も続ける方針を了承した。しかし、プーチン氏は「西側諸国と合意のチャンスはあるのか」といら立ちもあらわにしており、ウクライナ周辺の軍事的緊張を背景に米欧にさらなる譲歩を迫る方針とみられる。

 プーチン氏とラブロフ氏の協議の様子は、国営ニュース放送で一部が放送された。両氏の協議内容が公表されるのは異例だ。



 ロシアは米欧諸国にNATOの東方拡大前の1997年時点まで軍備配置を戻すことや、ロシア国境周辺に攻撃的兵器を配備しないことなどを求めている。ラブロフ氏は米欧の回答内容を説明したうえで、ロシアの要求に対し「否定的だった」と語った。

 これに対し、プーチン氏は「(米欧が)終わりのない交渉に我々を引き込もうとしているだけではないか」と質問。ラブロフ氏は「議論を際限なく続けるべきではないが、現時点では交渉を続け、発展させることを提案する」と述べ、プーチン氏の了解を得た。



 ロシア軍はウクライナ国境付近に集結するほか、隣国ベラルーシでは20日まで、黒海でも19日まで大規模な演習を続ける予定で、ウクライナへの圧力を強めている。

 タス通信によると、プーチン氏は週末までにベラルーシのルカシェンコ大統領と会談し、共同声明を出す予定。演習後のロシア軍の撤収時期が議題となるとみられるが、米軍の東欧への増派などを口実に部隊を残す可能性もあり、その場合は緊張状態がさらに続く可能性がある。【モスクワ前谷宏】