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2022年02月15日13時36分

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1988年カルガリー五輪に出場したボブスレー男子4人乗りのジャマイカ代表。映画「クール・ランニング」のモデルとなった=1988年2月、カナダ・カルガリー(AFP時事)




 カリブ海にある常夏の島国、ジャマイカの青年たちが冬季五輪を目指す物語は大きな人気を呼んだ。1993年公開の映画「クール・ランニング」は、88年カルガリー五輪に初出場した実話が基になっている。ボブスレー男子4人乗りのジャマイカ代表が、98年長野大会以来、24年ぶりに五輪の舞台に戻ってくる。


 ボブスレーは「プッシュ」と呼ばれる助走のスピードで勝敗の8割が決まるとされる。メンバーには陸上短距離の猛者が並ぶが、異色なのはそりを操縦する「パイロット」のシャンウェイン・スティーブンス。ジャマイカ生まれの英国育ちで、空軍に所属している。
 新型コロナウイルスの流行で練習施設が使えない時は、英国の路上で小型自動車を押して練習した。スティーブンスは「想定より重いものを押せば、本物をもっと速く押せるようになるはず」。このエピソードをオンラインで本人から聞いたエリザベス女王は、思わず笑ったという。
 資金難などから4人が合流できたのは昨年9月。そこから国際大会を転戦して出場権を獲得した。「ジャマイカ、ジャマイカボブスレー、そして『クール・ランニング』のファンの皆さんに誇りに思ってもらえるような、そんな大会にするのが待ち切れない」。時を経て、さわやかな感動を再び世界に与えるつもりだ。(時事)