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毎日新聞 2022/2/15 17:13(最終更新 2/15 17:14) 706文字




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女子SPを翌日に控え、公式練習に臨むROCのカミラ・ワリエワ=北京・首都体育館で2022年2月14日、手塚耕一郎撮影

 フィギュアスケート女子のロシア・オリンピック委員会(ROC)代表、カミラ・ワリエワ選手(15)のドーピング違反を巡りスポーツ仲裁裁判所(CAS)が北京冬季オリンピックの出場継続を認めたことについて、国際オリンピック委員会(IOC)のデニス・オズワルド委員は15日の定例記者会見で「CASは独立した組織で、判断を尊重しないといけない」と繰り返し述べた。

 CASは1984年、ドーピング問題などスポーツを巡る紛争を解決するためにIOCが創設した組織。IOCが主体的に処分を判断すべきだとの質問にオズワルド氏は「利益相反とならないように外部へ委託した。世界中のさまざまな業界でやっていることだ」と説明した。



 IOCはフィギュアスケート女子(15、17日)のメダル授与式について、ワリエワ選手が3位以内に入った場合には実施しないと決めている。ワリエワ選手は予備のB検体の分析もこれからで、違反かどうかの結論が出ておらず、大会後に資格停止処分が確定すれば、他の選手の順位が繰り上がる可能性がある。オズワルド氏は「関係する選手には同情するが、最終的にどの色のメダルを渡せるか分からない状況。バランスを取った」と訴えた。

 2010年バンクーバー五輪フィギュアスケート女子金メダルの金妍児(キム・ヨナ)さんら元選手から世界的に批判の声が上がっていることについて、オズワルド氏は「知らないのに批判するのは簡単だ。IOCはベストを尽くしている」と弁明した。



 オズワルド氏はロシアの組織的なドーピングを受けて14年ソチ五輪での不正調査の責任者を務めるなどドーピング問題に精通しており、IOCの担当者として対応した。【北京・小林悠太】