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[ 2022年2月17日 05:30 ]

 和歌山市の集合住宅で昨年6月、住人の鶴崎心桜さん(16)が心肺停止で見つかり死亡が確認された事件で、鶴崎さんに虐待を加え、病院治療も受けさせず死亡させたとして、和歌山県警は16日、保護責任者遺棄致死の疑いで、鶴崎さんの母の再婚相手の派遣社員、木下匠容疑者(40)を逮捕した。

 県警は虐待が事件の約3年前から続き、木下容疑者が背中を肘で殴るなどしていたとみて捜査。認否は明らかにしていない。死亡した鶴崎さんの母=当時(37)=も木の棒で殴るなどしていたとみており、同容疑で書類送検する方針。

 鶴崎さんが死亡した昨年6月9日夕、鶴崎さんの母とその娘(4)が大阪府の関西空港連絡橋近くの海上で浮かんでいるのが見つかり、死亡が確認された。橋から飛び降りたとみられる。当時鶴崎さんは24年前に和歌山市で起きた毒物カレー事件の林真須美死刑囚(60)の孫、母親は死刑囚の長女とみられていた。

 木下容疑者の逮捕容疑は鶴崎さんの母と共謀し、遅くとも昨年5月ごろから虐待を加え、外傷性ショックで死亡させた疑い。鶴崎さんの全身にあざが確認された。鶴崎さんの母は鶴崎さんの実父と離婚した後、木下容疑者と再婚。18年秋、実父と暮らしていた鶴崎さんを引き取った。

 真須美死刑囚の夫・健治氏はこの日、本紙の取材に「お孫さんの事件の被疑者を逮捕したと県警から報告を受けた」と明かした。事件の詳細を知らないことから「県警は捜査で分かったことを知らせてほしい」と話した。