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2022/2/19 10:54


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ハリス前駐韓米大使(AP)

【ワシントン=渡辺浩生】ハリス前駐韓米大使(元米太平洋軍司令官)は17日、西部カリフォルニア州サンディエゴで開かれた会合「ウエスト2022」(米海軍協会など主催)で講演し、ロシアがウクライナに軍事侵攻した際に米国がどう対応するかは、台湾侵攻の機会をうかがう中国の判断に影響を与えるとの見方を示した。

ハリス氏は、ウクライナ侵攻をめぐる米国の対応は「中国の台湾に対する行動を促進させ得るし、その逆もある」と述べた。

ハリス氏は米国がロシアにとるべき具体的行動には触れなかったが、「米国は、中国が台湾に関し判断・計算する方程式の中心にあり続ける」と述べた。

また、台湾有事際の米国の台湾防衛の責任を明確にしない「戦略的曖昧さ」の政策方針について、「中国が台湾を攻撃したら、米国は何をするかを中国に対して明確にすることが重要だ」として、同方針から脱却すべきだ強調した。

「戦略的曖昧さ」をめぐっては、ハリス氏の後任にあたるデービッドソン米インド太平洋司令官(当時)が昨年3月、中国が6年以内に台湾に侵攻する可能性に言及して以降、台湾防衛義務の明確化を求める声が高まっていた。

米太平洋艦隊のパパロ司令官も17日、同じ会合で講演し、「中国が台湾を武力統一すれば、米国と同盟・パートナー諸国に直接影響を与える」と指摘。日本と韓国は「中国の経済・政治的管理に服従するのか、核を含む完全武装に進むのかという重大な選択を迫られる」と語った。