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2022年02月20日06時30分




 夏の参院選で勝敗を左右する改選数1の「1人区」をめぐり、自民党の候補者選定が宮城、山梨、沖縄などで難航している。共通するのは、野党の地力が強く、党本部と地方組織の足並みがそろわないことだ。執行部側は一部を除き、3月13日の党大会までの決着を目指すが、思惑通りに進むかは見通せない。
 全国32の1人区で公認が決まっていないのは、青森、宮城、山形、山梨、長野、鳥取・島根、沖縄の7選挙区。
 このうち、候補選びが大幅に遅れているのが沖縄だ。1月の名護市長選の影響で作業が足踏み。その後も、9月に任期満了を迎える県知事選を控え、参院選と同時進行での準備を強いられている。党本部は前宜野湾市長の佐喜真淳氏を参院選に推すが、県連は知事選への擁立を検討。県選出国会議員を交えた19日の幹部協議でも結論は出なかった。
 宮城でも、党本部は参院自民会派所属の無所属現職の擁立を探るが、県連は2016年参院選で野党統一候補として当選した経緯を問題視し、県議の擁立を主張。4月に世論調査を実施し、公認を決める考えだ。
 山梨は、県連の公募で男性県議が最高評価を得たものの、茂木敏充幹事長が「勝てる候補」として女性や若手を選ぶよう促し、結論を先送りしている。
 過去の参院選をめぐり、自民党は沖縄で3連敗、宮城で2連敗するなど分が悪く、衆目の一致する有力候補の擁立を難しくする要因となっている。昨年秋に党総裁選と衆院選が続き、「例年よりも2カ月ほど参院選準備が遅れた」(選対関係者)ことの影響も大きい。
 一方、青森は県連による党員・党友投票の結果、19日に県議の擁立が決まった。合区の鳥取・島根は、島根が地盤の現職に対し、党本部が近く公認を出す見通しだ。
 長野は公募を実施し、地元で活動するタレントらが浮上。遠藤利明選対委員長のお膝元の山形は、候補者を3人に絞り込み、早期決着を目指している。
 世耕弘成参院幹事長は18日の記者会見で、公認決定について「早ければ早いほどいい。(有権者に)名前を浸透させるだけでも時間がかかる」と述べ、擁立作業を急ぐ考えを強調した。