参院予算委員会は24日、岸田文雄首相と全閣僚が出席し、2022年度予算案の基本的質疑を行った。首相は、敵基地攻撃能力としての核兵器保有について「非核三原則はわが国の国是と認識している。核兵器を使用する、保有する選択肢はない」と否定した

 政府は、外交・安全保障の基本方針を示す「国家安全保障戦略」を年末に改定する議論の過程で、敵基地攻撃能力を含む「あらゆる選択肢」を検討するとしている。これを踏まえ、立憲民主党の白真勲氏が「選択肢に核兵器が含まれるか」と質問したことに答えた。

 新型コロナウイルス感染拡大で懸念される経済活動の再開に関しては「感染状況や医療の逼迫(ひっぱく)状況などを見極めながら、専門家の意見も伺いつつ段階的に対応していく」と述べた。自民党の藤川政人氏への答弁。
 首相は感染状況について「オミクロン株の感染拡大ペースは落ち着き始めているが、警戒を緩める状況にはない」と指摘。その上で、一部地域ではまん延防止等重点措置を解除したなどと説明し、「第6波の出口がはっきり見えてくれば、経済社会活動の回復に向けてさらなる取り組みを進める」と強調した。
 ワクチンの3回目接種の遅れについて、立民の小西洋之氏は「内閣総辞職ものの失政だ」と批判。首相は「科学的知見、各国の動向なども把握した上で、(2回目との)接種間隔の短縮に努めた」と理解を求めた。
 首相は、ガソリン税を一時的に軽減する「トリガー条項」の凍結解除に関し、「あらゆる選択肢を排除せず追加の策も考えていかなければならない」との方針を重ねて示した。白氏への答弁。
 24日の参院予算委は、ウクライナ情勢の緊迫化を受け、審議が約1時間10分中断した。

時事通信 2022年02月24日19時13分
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