外国産アサリが「熊本県産」として大量に出回っていた問題で、熊本県が過去に県産と偽装された疑いがある輸入アサリの情報を得て、関係する地元漁協への聞き取りをしていたことが分かった。だが、産地偽装の可能性を追及せず、関係する他の部署と情報共有もしないまま、踏み込んだ対応を取らなかった。

 県農林水産部の竹内信義部長が25日、県庁で記者会見を開き、当時の状況を説明した。

 県によると、3年前の2019年6月、県内でのアサリ産地偽装疑惑をめぐるテレビ報道をきっかけに、外部から関連情報が寄せられた。水産振興課が情報をもとに、輸入アサリを一時的に保管する「蓄養」をしていた県北部の有明海域にある3漁協に聞き取りをした。

 食品の産地表示では、国外より国内での生育期間が長ければ、国内産と称することができるという「長いところルール」がある。

 アサリの場合、出荷に適した長さ3センチ以上に育つまで1年はかかるが、聞き取りでは、1漁協が「輸入アサリの(1回あたりの)蓄養期間は2週間から1カ月」と答え、県産とするルールに該当しない状況だった。残り2漁協は、聞き取りしたかどうか記録がないという。

 竹内部長は、蓄養の期間が2…(以下有料版で,残り589文字)

朝日新聞 2022年2月26日 8時00分
https://www.asahi.com/articles/ASQ2T76JVQ2TTIPE00C.html?ref=tw_asahi