◆外務省は取材禁止の報復措置
 【モスクワ=小柳悠志】ロシアの大手紙コメルサントの著名な女性記者エレナ・チェルネンコ氏(40)が、ロシア軍のウクライナ侵攻に反対する公開書簡への賛同をジャーナリストに呼び掛ける署名運動を始めた。ロシア外務省はチェルネンコ氏の取材を禁じる報復措置に出たが、書簡への賛同者は増えている。
 チェルネンコ氏は外交・安全保障が専門。侵攻初日の24日、「戦争は争い事を解決する手段にはなりえず、戦争は正当化できない」と書簡で宣言し、ロシア政府に戦争をやめるよう求めた。既に170人の記者らが趣旨に賛同、署名に名を連ねた。
◆ナバリヌイ氏も「反対」
 民主派野党指導者ナバリヌイ氏も24日、裁判所で公判中に、ウクライナとの戦いに反対すると表明。「戦争はロシアの内政の不満をそらす狙いだが、多くの犠牲者が出る」と述べた。同氏はこれまでもロシアがウクライナに軍事介入した場合、旧ソ連のアフガン侵攻のような泥沼の戦いになると警告してきた。
 ロシアのプーチン大統領の側近ペスコフ報道官の長女(24)も25日、自身の会員制交流サイト(SNS)で「戦争はいけない」と投稿、政権に抗議したが同日中に投稿は削除された。外部からの圧力があったとみられる。

東京新聞 2022年2月26日 19時08分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/162528