ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対しては、ロシア国内でも抗議の声が広がっています。

ロシア国内のNGOが「大統領への戦争終結の訴え」と題してインターネット上で電子署名の呼びかけを26日に始めたところ、日本時間27日午前3時時点で、440の団体が賛同しています。

訴えの内容は「われわれは人間の尊厳のため、また命を救うために闘っている。戦争はその基本原則と相いれず痛みと苦しみを倍増させる人災で、われわれの長年にわたる努力が水泡に帰すことになる。政治的な争いを解決するための武力行使は非人道的であり、大統領には砲撃をやめて話し合いを始めるよう求める」というものです。

ロシアが軍事侵攻を開始した今月24日には、ロシア科学アカデミーに所属する科学者をはじめ、国内外のロシア人科学者たちが連名で強い抗議を表す公開書簡をウェブサイトに掲載しました。

それによりますと、2000人以上が名前を連ねているということで「この致命的な一歩は甚大な人命の損失を招き、確立された国際安全保障体制の根幹を揺るがすものだ。この戦争に合理的な正当性はなく、ウクライナ東部の情勢を軍事作戦の口実にしようとする試みは信用できない」とプーチン大統領の決定を厳しく批判しています。

そして「戦争によってロシアは国際的な孤立を余儀なくされた。科学研究は外国の仲間との全面的な協力なしには成り立たない。世界からの孤立はロシアの文化的、技術的な劣化をさらに進めることを意味し、将来の展望はない」として軍事行動の即時停止とともに、ウクライナの主権と領土の一体性を尊重するよう求めています。

このほかフェイスブック上では「ロシアにいる同胞への呼びかけ」という意味のハッシュタグをつけたロシア語の投稿が相次いでいて、プーチン政権に対する非難とウクライナへの支持を呼びかけています。

NHK 2022年2月27日 10時09分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220227/k10013503411000.html