大分市は、同市の高崎山に生息する野生のニホンザル15匹を南米ウルグアイの動物園に来年に寄贈することを決めた。2019年のラグビーワールドカップ(W杯)日本大会で同国が市内でキャンプを張って交流したことがきっかけ。市は「サルが市の知名度アップや両国の懸け橋を担ってほしい」と期待する。

 市によると、W杯開催中の19年10月、市内で開かれた歓迎会で、佐藤樹一郎市長が駐ウルグアイ大使の真銅竜日郎さんに「高崎山のサルを通じて親近感を深めてほしい」と寄贈について相談。真銅さんが受け入れ先を探したところ、ドゥラスノ県の動物園が手を挙げたという。市は計画の準備費用700万円を22年度一般会計当初予算案に計上。市のPRにつなげられるよう現地での受け入れ式の開催などを協議していきたいとしている。

 計画では来年2月、餌を入れたおりを山中に設置し約30匹を捕獲、感染症の検査などを実施する。問題がないサルを選び、同10月に飛行機で輸送する。サルの寄せ場がある高崎山自然動物園やその周辺は国の天然記念物指定エリア(捕獲禁止)のため捕獲はエリア外のサルを対象とする。

 市は1977年にも高崎山のサル30匹をイタリア・ローマの動物園に寄贈したことがあり外国への寄贈は2回目となる。(井中恵仁)