【イスタンブール時事】ウクライナ各地では6日も、ロシア軍による攻撃が続いた。ウクライナ軍との攻防戦で焦点となっている南東部の要衝マリウポリでは、民間人退避のための「人道回廊」設置が失敗に終わり、ロシア側は攻撃再開を発表。ロシア国防省は6日、マリウポリの西部や北西部の郊外で攻勢をかけ、一部を制圧したと訴えた。ロシアに侵攻停止を呼び掛ける外交努力も続いているが、これまでのところ不発に終わっている。

 情勢悪化が続く中、ウクライナから陸路で隣国ポーランドなどに逃れる難民は増加の一途をたどり、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、6日時点で136万人を超えた。
 マリウポリをめぐっては5日午前に人道回廊での限定的停戦が発表されたが、その後も攻撃が続き、市当局は「ロシア軍は停戦を守らず、砲撃を続けている」と非難。ロシア側はウクライナが攻撃していると主張した。ロシア国防省は「回廊を通って脱出できた民間人は一人もいない」と指摘した。
 ロシア国防省は6日、長距離精密兵器でウクライナ西部の空軍基地を攻撃し、破壊したと主張した。
 侵攻を受け米欧が厳しい対ロ制裁に踏み切る中、制裁から距離を置く諸国による仲介努力が加速している。イスラエルのベネット首相は5日、モスクワを訪問し、プーチン大統領と3時間にわたって会談した。ウクライナへの攻撃停止を呼び掛けたとみられる。ベネット氏は会談後、ウクライナのゼレンスキー大統領とも電話協議。その後、ベルリンへ移動してドイツのショルツ首相と意見交換した。
 また、トルコ大統領府によると、エルドアン大統領は6日、プーチン氏との電話会談を予定している。ただ、プーチン氏はウクライナの「非武装化」など一方的な要求を続けており、外交努力の成果は見通せない。
 一方、ロシアとウクライナによる3回目の停戦交渉は、週末に開催する方向で調整が進められていたが、ロシア代表団関係者によると、7日にずれ込む見通しとなった。

時事通信 2022年03月06日18時29分
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