【ニューヨーク=平田雄介】国連安全保障理事会は7日、北朝鮮が今年9回目となる弾道ミサイルを5日に発射したことを受け、緊急会合を非公開で開いた。会合後、米国や英国など理事国7カ国に日本や韓国など4カ国を加えた計11カ国が共同声明を発表し、「発射は複数の安保理決議に違反している」と非難した。

安保理では、米国が北朝鮮への制裁強化を目指す一方、中露が制裁緩和を求めており、一致した対応を取れずにいる。11カ国の共同声明は「北朝鮮が(地域情勢を)不安定化する行動を激化する一方、安保理は沈黙したままだ」とし、中露を念頭に「安保理理事国が声を一つにして北朝鮮を非難する」ことを求めた。

また、ミサイル発射のたびに「安保理の信頼性と世界の不拡散体制が損なわれている」と述べ、米国などが繰り返し呼びかけている「前提条件なしでの対話」に、北朝鮮が「前向きに対応する」ことを求めた。

5日の発射について、北朝鮮は「偵察衛星開発のための重要テスト」だと主張している。

共同声明には安保理から米英仏、アルバニア、ブラジル、アイルランド、ノルウェーの7理事国、安保理外から日本や韓国、オーストラリア、ニュージーランドの4カ国が名を連ねた。

産経新聞 2022/3/8 08:00
https://www.sankei.com/article/20220308-QU5FR5TDIJP4LDP7HOAEBA2XZY/