立憲民主党の旧社会党系議員らでつくる「サンクチュアリ」と、菅直人元首相率いる「国のかたち研究会」の2つのリベラル色の濃い議員グループが8日、国会内で臨時の合同会合を開いた。出席者は夏の参院選への危機感を相次いで示し、今後も情報共有することを確認した。中道寄りとされる泉健太代表の党運営に不満を持つ議員もおり、内紛の火種となる可能性がある。

合同会合は昨年の代表選後初めてで、約30人が出席した。代表選で泉氏と争ったサンクチュアリに所属する逢坂誠二代表代行と小川淳也政調会長、国のかたち研究会に所属する西村智奈美幹事長という党中枢幹部の姿もあった。

合同会合では連合との関係悪化を心配する意見や、参院選で敗北した場合に来年の統一地方選に与える影響を懸念する声があったほか、先の衆院選で躍進した日本維新の会への警戒感をあらわにする議員もいた。ある参院議員は「ボロボロになって維新に負けたら勢いが後退する」と危機感を訴え、菅氏は記者団に「全国で維新とケンカをする」と強調した。

サンクチュアリ会長の近藤昭一衆院議員は記者団に「参院選に向けて立民を盛り上げていこうということだ」と説明したが、党内政局の側面も否定できない。リベラル系には、泉氏が掲げる政策提案路線に伴う国会論戦の迫力不足が党勢回復を妨げているとの不満や、参院選の候補擁立が遅れていることへの焦りがある。関係者は合同会合の狙いについて「逢坂、小川、西村3氏を突き上げると同時に、泉氏にプレッシャーをかける狙いがある」とささやく。

合同会合では「両グループが塊になったらよい」との意見もあった。泉体制が揺らいだ場合、両グループで主導権を握りたいとの思惑も見え隠れする。(沢田大典)

産経新聞 2022/3/8 20:35
https://www.sankei.com/article/20220308-66XUX7DNRRLIZPTSMV6A5XDWS4/