岸田文雄首相と公明党の山口那津男代表は10日、首相官邸で会談し、夏の参院選やウクライナ情勢を巡る対応で連携を強化する方針を確認した。両党間で懸案となっていた「相互推薦」については近く両党の幹事長・選対委員長間で具体的に協議させることで合意した。

 会談は首相の呼びかけで実施された。首相は緊迫するウクライナ情勢やエネルギー価格の高騰に触れ、「事態の展開次第では、我が国も戦後最大の危機に陥る」と指摘。「国難ともいえる危機的状況に直面し、政権与党たる自公の間でいかなる隙間(すきま)も許されない」として改めて選挙や政策面での協力関係の維持を訴えた。

 相互推薦は、改選数1の1人区で公明が自民候補を、複数改選区の一部で自民が公明候補を推薦するものだが、自民の対応の遅れに公明が反発し、協定締結が見送られていた。


 山口氏は会談後、記者団に「参院選をしっかり戦い抜いて政権の安定的な運営の基盤を確保する目標で一致した」と述べ、協定締結の可能性を示唆した。【木下訓明、中村紬葵】

毎日新聞 2022/3/10 21:02
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