野党は16日、政府・与党が年金生活者らに対して5千円を軸に「臨時特別給付金」を支給する方向で検討に入ったことを一斉に批判した。ロシアによるウクライナ侵攻が続き、物価高騰への懸念が強まる中、野党は夏の参院選に向けて経済対策のアピールに懸命だ。

日本維新の会の藤田文武幹事長は16日の記者会見で、臨時特別給付金について「政策合理性のない全くの愚策だ。バラマキのようなもので自民・公明政権の一番駄目なところだ」と突き放した。


立憲民主党の馬淵澄夫国対委員長も記者団を前に「世代間格差がないように、かつ本当に困った人に給付できるのかという議論なしに軽々にできない」と苦言を呈した。国民民主党の古川元久国対委員長は会見で「高齢者にかかわらず低所得者に対する手当は必要だ」と述べた。

物価高騰が国民生活に深刻な悪影響を及ぼす可能性がある中、立維国の3党はガソリン税の一部を軽減する「トリガー条項」の凍結解除が必要だとの認識を共有しつつ、追加的な経済対策も主張している。

国民民主の榛葉賀津也幹事長は16日の自公国3党の幹事長会談で、消費税減税を含む十数兆円規模の追加的経済対策を講じるよう与党に要請。会談後、記者団に「(物価高と景気悪化が重なる)スタグフレーションに陥っている状況だ」と危機感を示した。

維新は政府に対し緊急経済対策を提言した。「ガソリンから小麦までを視野に入れた広範で本格的な緊急経済対策を策定し速やかに実行していく必要がある」と訴えたほか、運転計画の前倒しが可能な原発の再稼働も求めた

立民は消費税の時限的な5%への減税やトリガー条項の凍結解除、円安が物価高につながるとの懸念を理由に金融政策の見直し、年金の最低保障機能強化を柱とする物価高騰対策をまとめた。

産経新聞 2022/3/16 19:24
https://www.sankei.com/article/20220316-ZI2MHQAUHBJMJDASVVGEAPYWRY/