【ソウル時事】北朝鮮が24日に発射した「ミサイル」は、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」だった可能性が指摘されている。2017年に相次いで試射された「火星14」や「火星15」より巨大化し「怪物」と呼ばれる。

 米全土を狙うほど射程を伸ばすだけではない。複数の核弾頭やおとりを搭載できる多弾頭化で「米国のミサイル迎撃を困難にするよう設計」されていると、専門家の間で警戒される。
 火星17の初登場は20年10月、平壌での軍事パレードだ。公式のデータがない中、外観から分かる情報で注目されたのは、車輪を数えることで分かる移動式発射台(TEL)の車軸の数だ。
 この「新型」は11軸で、火星15の9軸、火星14の8軸より長い。世界で最も全長が長いICBMとみられている。米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」によると、直径は火星15と同程度の2.4〜2.5メートルだが、長さは約24〜25メートルと2〜3メートル長いと推計している。
 長くなった要因として、専門家は「ロケットを上げる力を高めるため、エンジンを改良した」と推測する。射程は火星14が5500キロ以上、火星15が1万キロ以上とされる。1万キロでようやく米西海岸に届く。火星17の射程は、それを大きく上回ると考えられている。
 聯合ニュースによると、弾頭部も核弾頭が2〜3発搭載できる形状に変化した。ウクライナ問題や対中問題で身動きが取れなくなった米国に、北朝鮮が火星17で揺さぶりをかけ始めた。

時事通信 2022年03月25日10時17分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022032401307&;g=int