自民党本部が、夏の参院選山形選挙区(改選数1)で独自候補の擁立を見送る調整に入ったことで、2022年度当初予算案に賛成するなど与党への接近をはかる国民民主党との事実上の選挙協力が進むことになる。自民執行部は他の選挙区で国民民主の支援団体・連合の一部が自民支持に回るなど野党勢力の分断につながることを期待するが、国政選挙では異例となる「不戦敗」に、自民党内には「参院選に向けた党全体の士気にも関わる」といった不満もくすぶる。

 岸田文雄首相が安定政権への足がかりと位置づける夏の参院選で、勝敗のカギを握る改選数1の「1人区」は32。自民党が候補者を決定していないのは、山形と宮城の2選挙区のみだ。世耕弘成参院幹事長は1日の記者会見で、山形の候補者調整について「すべての選挙区で候補を立てることは重要だ。一方で、それぞれの選挙区の事情もある」と指摘。そのうえで「最終的に党本部の判断だ」と語った。

 国民民主は3月22日の参院本会議で22年度当初予算に賛成するなど、今国会で「事実上の閣外協力」と指摘されるほど政権与党への接近を見せた。自民、公明は翌…(以下有料で、残り894文字)

毎日新聞 2022/4/1 20:20(最終更新 4/1 20:33)
https://mainichi.jp/articles/20220401/k00/00m/010/210000c