「死にたいけどトッポッキは食べたい」「あやうく一生懸命生きるところだった」――。いずれも日本でも出版された韓国エッセーのタイトルだ。近年、韓国エッセーは日本で出版するたびに重版となり、中には発行部数が50万部を超えるベストセラーもある。K−POPなど韓国文化に親しむ人以外の層にも人気が広がっているのはなぜなのか。

相次ぐベストセラー
 韓国エッセーブームの皮切りは2019年に発売された「私は私のままで生きることにした」(キム・スヒョン著、ワニブックス)。今年1月時点で発行部数が50万部を超え、日韓で計165万部を突破。その後、「あやうく一生懸命生きるところだった」(ハ・ワン著、ダイヤモンド社)が17万部、「死にたいけどトッポッキは食べたい」(ペク・セヒ著、光文社)が14万部を超え、立て続けにヒット作品が生まれた。

 ダイヤモンド社はこの他に3冊の韓国エッセーを発売した。「どうかご自愛ください 精神科医が教える『自尊感情』回復レッスン 」(ユン・ホンギュン著)が約3万5000部、「大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした」(クルベウ著)も約9万部と好調だ。

 同社で韓国エッセーを担当する畑下裕貴さん(35)は「業界平均では4〜5冊に1冊しか重版とならず、5万部を超えるのは一握り。立て続けに10万部超えのヒット作が出たのは業界として大きなインパクトがあった」と説明。「その後も、…(以下有料版で,残り1914文字)

毎日新聞 2022/4/10 08:00(最終更新 4/10 08:00) 有料記事 2505文字
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