韓国の尹徳敏(ユン・ドクミン)新駐日大使が16日、着任した。5月に就任した尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の外交ブレーンの一人で、安全保障や北朝鮮の核問題に精通する。尹政権は知日派で日本に広い人脈を持つ尹徳敏氏の大使起用で日韓関係の改善を探る。

尹新大使は16日午前に羽田空港に到着した。空港内で記者団の取材に応じ、「信頼関係が傷ついてしまった現在の韓日関係を変えたい」と述べた。「韓日は民主主義、人権などの価値観を共有し、戦略的利益を共有する最も重要なパートナーだ」と語った。

同氏は慶応大で博士号を取得し、日本語に堪能。国立外交院長を務め、日韓関係に詳しい研究者として知られる。3月の大統領選では尹錫悦陣営で外交政策づくりを担い、当選後の4月下旬に日本に派遣された代表団の一員として岸田文雄首相と会談した。6月には大統領府が駐日大使への起用を正式に発表していた。

尹錫悦政権にとって日本との関係改善は重要な外交課題のひとつ。朴振(パク・ジン)外相は18日に就任後初めて来日し、林芳正外相と元徴用工や慰安婦を巡る問題を議論する見通し。日本側との調整役を担う尹徳敏氏は5月に開かれた国際会議「アジアの未来」(日本経済新聞社主催)にオンラインで参加し、日韓関係について「良かった時期に戻すことが我々の使命だ」と話していた。

日本経済新聞 2022年7月16日 12:55
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