※ITmedia NEWS、※マカフィー調べ【期間:2022/6/15~7/5、対象:世界10カ国の10歳から18歳の子供を持つ11,687人の親とその子供、オンラインアンケ】公表:8/18

「Twitterのネットいじめは日本が2倍」の、もっと先を読む:小寺信良のIT大作戦
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2208/21/news040.html

2022年08月21日 05時55分 公開 [小寺信良,ITmedia]

セキュリティ対策大手のマカフィーが、世界10カ国の親1万1687人とその子供を対象に、子供が直面するネットいじめの現状を調査し、報告書をまとめた。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000033447.html

各社ネットニュースでもプレスリリースの内容が報じられているところだが、「日本のいじめ発生率は世界最低」「Twitterでは世界平均の2倍以上」という部分が一人歩きしてしまい、それ以上でもそれ以下でも語られていないように見える。

 こうした世界調査の場合、日本の立ち位置さえ分かればよいとする向きもあるが、報告書全体を読んでみると、「ポイントはそこじゃねぇ」という気がしてくる調査である。「日本はいじめが少ない」「Twitterやべえ」だけでは、せっかくの調査がもったいない。他の資料も参照しつつ、元になった報告書を、もう少し詳しく読んでみよう。

「ネットいじめ」の内訳
 マカフィーが公開した報告書は英文で27ページのPDFにまとまっている。トピックは4つに分けられており、1つ目は「10代の子供たちが直面する人種差別を元にしたネットいじめ」である。

 人種差別を原因とするいじめがあったと報告した保護者の割合は、世界平均で28%であり、平均を大きく引き上げているのはインド、米国、ブラジルである。

https://image.itmedia.co.jp/news/articles/2208/21/l_koya_twicap001.jpg
ネットいじめの行為割合

また、いじめの報告が少ない日本では、「ウソの拡散」が他国を大きく引き離してトップとなっている。これを国民性や社会のあり方の反映として分析可能しれないが、筆者が長年子供のネットいじめと向き合ってきた経験からすると、あだ名や仲間はずれといった観測可能ないじめはある程度つぶすことができた一方で、捕まえどころのないうわさ話という方向へ手段を伸ばしている、と見るのが妥当ではないかと思う。日本の教育事情については、また後述する。

名指しで問題視されるMetaのサービス
 2つ目のトピックは、「Meta社提供のサービスでネットいじめの発生率が高い」という分析である。Metaが提供しているサービスには、SNSとしてInstagram、Facebookが、メッセージングツールとしてWhatsApp、Facebook Messengerがある。

 子供がネットいじめを目撃した割合、自身がいじめに遭った割合の調査では、Twitterに対してFacebookが2倍以上高い。またInstagramでも、ワールドワイドで見ればかなりいじめの多いプラットフォームであるとの結果がでている 。

https://image.itmedia.co.jp/news/articles/2208/21/l_koya_twicap004.jpg

では日本においてTwitterのいじめが世界平均の2倍以上という話はどうなっているのか。実は英文のフルレポートには、この件についての具体的な言及はない。実はこの数値は、日本のマカフィーが発表したプレスリリースの中にあるのみだ。

“上位のプラットフォームを並べて比較すると、日本と世界の子供たちの報告率は以下のようになっています。

Twitter:38% (日本)、18% (全世界)
Facebook:16% (日本)、49% (全世界)
WhatsApp:5% (日本)、38% (全世界)
Instagram:21% (日本)、36% (全世界)
Facebook Messenger:4% (日本)、28% (全世界)(マカフィー発表のプレスリリースより引用)

 おそらく(略)

※省略していますので全文はソース元を参照して下さい。