韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)政権で新たに任命された金亨駿(キムヒョンジュン)・駐大阪韓国総領事が、産経新聞のインタビューに応じ、来年関西を訪れる韓国人旅行客が250万人に上るとの見通しを示し、両国のさらなる交流活性化に期待を寄せた。韓国・釜山市の2030年万博誘致活動には関西の政財界に支持を求めており「2025年大阪・関西万博の誘致活動や開催準備など、見習うところは大いに学んでいきたい」と述べた。

金氏は韓国・釜山市出身。慶応大商学部を卒業し、日本企業の韓国支社長を務めるなど知日派として知られる。「留学生時代、東京の下町で日本人の世話になった経験が、日韓の懸け橋になりたいという今の使命感になっている」と振り返る。大阪総領事に9月に着任し「日韓関係を改善したいという尹大統領の志を深く認識し、努力したい」と意欲を語った。

訪日韓国人は2018(平成30)年に過去最高の750万人を超えたが、日韓関係の悪化や新型コロナウイルスの影響で激減。今年、両国の水際対策が緩和されたことなどから、観光業界は来年に関西を訪れる韓国人が200万~250万人に上ると試算している。

「日本の台所・大阪や歴史的に交流が深い奈良、京都を訪れたい韓国人は多い」と金氏。「日韓の若者は互いの文化を好意的に受け入れていて、次世代の日韓関係はもっと良くなる」と交流活性化に期待する。

大阪・関西万博の大型パビリオンとなる韓国館は来年着工予定。30年万博誘致を目指す釜山市にとって宣伝効果も期待される。大阪総領事館も釜山市とともに関西の政財界に支持を求めるなどしている。(石川有紀)

産経新聞 2022/11/30 10:29
https://www.sankei.com/article/20221130-27GDG7BOTNPNNMUTZS7GQUHQ4M/