国土交通省は7日、2030年度末に開業を予定する北海道新幹線の新函館北斗―札幌間の建設工事を巡り、総工費が当初計画から
約6450億円増えるとの試算を公表した。資材価格の高騰などが要因。総工費は約1兆6700億円から2兆3000億円程度に膨らむ。

 国交省の有識者会議が試算をまとめた。増加額の主な内訳は、人件費や鋼材など資材価格の上昇で約2050億円、トンネル掘削工事で
生じる残土に含まれる重金属の処理対策などで約2700億円、設計基準の見直しといった着工後に改正された制度への対応で約1340億円――など。

 試算では、資材価格や人件費が年2%上昇すると想定。上昇率が0・1ポイント上振れすると、総工費はさらに約70億円増えるという。
資材価格の上昇傾向が強まれば、最終的な総工費は一段と膨らむ可能性がある。

 今後は総工費膨張分の財源が課題となる。国、沿線自治体、JR北海道がそれぞれ負担する枠組みのため、関係者間で検討される。
有識者会議は開業時期について30年度末との当初予定を据え置いたが、トンネル工事の 進捗しんちょく が計画から4年遅れている工区もあり
国交省幹部は「(目標通りの開業は)大変厳しい状況」との認識を示した。

読売新聞オンライン 2022/12/07 22:11
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20221207-OYT1T50180/