0001はな ★ [US]
2022/12/08(木) 08:55:07.49ID:EGODUEY692022/12/8 08:00
https://www.sankei.com/article/20221208-62EPQR4CJRKGRGIZK7DVGLEMBI/
江戸時代から続く大名跡を継いだ歌舞伎俳優、十三代目市川團十郎白猿（４４）の襲名披露興行「十一月吉例顔見世大歌舞伎」（東京・歌舞伎座）では長男、堀越勸玄＝かんげん＝（９）も八代目市川新之助＝を名のり、初舞台を踏んだ。元ＮＨＫアナウンサーで古典芸能解説者の葛西聖司氏（７１）が、新之助の初舞台について語った。
「子供であるというマイナス面を感じさせず、きちっと教えられた通りにやっている姿勢は、とても好感が持てた。合格点。見事なスタートを切った」
初舞台で「外郎売（ういろううり）」の主役、外郎売実は曽我五郎を史上最年少で演じた新之助を葛西氏は高く評価した。
團十郎が助六役を勤めた「助六由縁江戸桜（すけろくゆかりのえどざくら）」では、新之助が福山かつぎ役で出演。「團十郎が新之助時代の福山かつぎも見ているが、まったく遜色はなかった。まだ小さい体、高い声で小学生の演技ではあるが、芝居の中の一役として精いっぱいやっている姿に、大いに拍手を送った」
最年少で祖父の得意役
１１月上旬にＮＨＫ総合で放映された「あの日 あのとき あの番組」に襲名したばかりの新團十郎親子が出演。先代の十二代目團十郎が襲名するまでの半年間を取材したＮＨＫ特集「大看板 團十郎への道」（昭和６０年放送）を、スタジオで新團十郎親子が見るという趣向だった。
この「あの日－」の監修に携わったのが葛西氏だ。新團十郎親子の様子に「少年俳優とその師匠に当たる父親とのほほえましい会話だけでなく、團十郎がとても子育てに力を注いでいるのが分かって、改めて温かいものを感じた」という。
５日に初日を迎える１２月の襲名披露公演では、新之助は祖父の十二代目團十郎が得意とした「毛抜」の粂寺弾正（くめでらだんじょう）を史上最年少で勤める。大人でも難しい役どころで、子供が演じることには否定的な声もあった。
「祖父や父のようにできるわけがないが、見守っていきたい。初舞台に臨む彼の姿をみて、一気に贔屓（ひいき）になった。歌舞伎が大好きな人間として、応援していきたいし、見届けたい」
未来語れる仲間を
新之助は祖父や父親と同じようにいずれは海老蔵、そして團十郎を襲名するだろう。ただ少年俳優は、変声期を迎えると舞台に立つ機会が減るのが一般的だ。この時期をどう乗り越えるかが重要だという。歌舞伎俳優として生きていくのか、思春期に別の人生を選択するのかといった判断も迫られる。
「変声期にどう成長するのかが大切だ。父親以外からどういう教えを受け、それを素直に受け取れるか。その学ぶ力や吸収力についていえば、新之助には素質があると思う」
一方、「歌舞伎界は競争社会。名門だからといってできるわけではない。あくまでも実力次第。初舞台を通して、歌舞伎は一人ではできないことを実感したと思う。歌舞伎はみんなで作り上げるもの。誰からも好かれて応援してもらわなければできない」と厳しい言葉も口にする。
「亡くなった十二代目團十郎も、十八代目中村勘三郎も、仲間内から応援されていた。新之助もみんなに好かれてほしい」
その上で「新之助には歌舞伎の未来をともに語れる仲間が必要だ」とし、同じ９歳の中村長三郎、坂東亀三郎、尾上丑之助をはじめ、同世代として市川右近（１２）、中村勘太郎（１１）、寺嶋眞秀＝まほろ＝（１０）、小川大晴＝ひろはる＝（７）、小川綜真（６）ら少年俳優の名前を挙げた。
「共演する同世代の俳優たちとタッグを組まなければいけないし、組みながらともに成長してほしい。この世代の彼らがそのまま成長してくれたら２０年後、３０年後の歌舞伎も楽しみだと言いたい」
襲名披露公演は２６日まで。
