【カタールW杯 森保ジャパン 表と裏①】

森保ジャパンはカタールW杯で目標の8強以上には届かなかったが、優勝候補のドイツとスペインを次々と撃破して世界中から脚光を浴びた。その一方で格下のコスタリカに足元をすくわれ、最後はクロアチアとの死闘の末に終戦。かつてないほど称賛と批判が渦巻いたチームでいったい何が起きていたのか――。 今大会の森保ジャパンを語る上でまず欠かせないのがMF鎌田大地(26=Eフランクフルト)だ。

クラブで昨季欧州リーグ(EL)を制覇する原動力となってビッグクラブから注目される存在となった鎌田は、今季はさらにすごみを増した。ドイル1部で7ゴールを量産して得点王を狙える位置につけ、欧州チャンピオンズリーグ(CL)ではトットナム(イングランド)、マルセイユ(フランス)、スポルティング(ポルトガル)と並みいる強豪を相手に3試合連続ゴールをマークし、日本人初の快挙となった。 最高潮でW杯を迎えた鎌田に、森保一監督(54)も絶大な信頼を寄せて今大会の中心に据えることを決断。攻撃陣で唯一、4試合すべてでスタメンを託した。 しかしFW浅野拓磨(ボーフム)やMF堂安律(フライブルク)など日替わりヒーローが生まれる中で、鎌田は決定機を逃す場面もたびたびありプレーに精彩を欠いた。特に顕著だったのが、2戦目のコスタリカ戦だ。 日本が圧倒的に攻める中で、攻撃のキーマンとなるはずの鎌田がミスを連発。試合を中継した「ABEMA」で解説を務めたMF本田圭佑も「明らかに調子が良くない。技術的なミスも多い」と酷評するほどの出来だった。 その後に鎌田は「信じられないほどイージーなミスが多かった」と自戒した上で「自分のコンディションが悪かったり、どこかが痛かったりというのは全くない。なんなんすかね…僕も考えたけど正直分からなくて。僕の今のレベルで通用しない相手じゃないし。考えたけど特に分からなかった」と吐露。〝謎の不振〟に頭を悩ませた。 それでも森保監督の信頼は揺るがず、最後まで鎌田と〝心中〟。しかし8強をかけた大一番のクロアチア戦でも機能せず、ブラジル放送局「グローボ」がスタメン最低となる5・5点と評するなど不発のまま大会を終えることになった。 チーム解散時に鎌田は森保監督について「W杯で自分を信頼して使ってくれたことには感謝している」と語った。最後まで鎌田にこだわり、不調でもスタメン起用を貫いた森保監督の判断は、今後の検証で議論を呼びそうだ。

2022年12月8日
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