バリ島テロ、転身し仮出所 根絶に協力、豪は反発

インドネシア政府は7日、202人が死亡した2002年のバリ島爆弾テロで、
爆弾を組み立てたとして反テロ法違反などの罪で禁錮20年の判決を受け服役していたウマル・パテク受刑者が仮出所したと発表した。

イスラム過激派組織ジェマ・イスラミア(JI)元幹部だが、服役中からテロ根絶運動に協力し、反テロ運動の「顔」へ転身したとされる。
テロで88人が犠牲となったオーストラリアは恩赦に強く反発していた。

模範囚だったため、8月の独立記念日に合わせ恩赦対象となった。
公判で「自分のしたことを後悔している」と謝罪し、刑務所を一時的に離れテロ対策の講演にも登壇してきた。

オーストラリアのアルバニージー首相は恩赦決定の際、メディアのインタビューで「(出所は)禍根を残す。
彼がやったのはテロ行為だ」と批判した。

テロは02年10月12日、バリ島の繁華街で発生し、日本人夫妻も死亡した。
パテク元幹部は逃亡し、米国が身柄拘束のため100万ドル(約1億3500万円)の懸賞金を懸けた。
11年にパキスタンで拘束された。
(共同)
https://www.sankei.com/article/20221208-L5QLGU4EXROL3PDDNLYFBKFJVQ/