0001ガムテ ★ [VE]
2022/12/09(金) 13:34:12.61ID:Zsrwlg3L9よみタイ2022.12.8
https://yomitai.jp/series/shinka/03-komatsu/
省略してるので詳しくはリンク先
少数であるからこそ有利になる
集団中のサイコパスの頻度は1%程度と言われており、かなりの少数派です。サイコパスにとっては、少数であることがむしろ有利になるという仮説があります。サイコパスにとって都合がよいのは、他人をすぐに信頼するような善人が多くいて、サイコパスが彼らを容易に利用できるような状況でしょう。サイコパスのことを社会的捕食者と呼ぶことがありますが、いわば周囲が獲物だらけというわけです。反対にサイコパスにとって都合が悪いのは、周囲の人間も自分と同じサイコパスだったという状況です。搾取する相手を見つけ出すのが難しくなります。このように、サイコパスにとっては周りに自分と同じサイコパスが少ない環境のほうが望ましいわけです。
少数派であることが有利になる性質の存在は、古くから進化生物学における重要な研究テーマでした。今日では、こうした性質を生み出す自然選択のタイプがあることがわかっており、少数者有利の頻度依存選択と呼ばれています。ある性質を生み出す遺伝子について、その遺伝子の頻度が低い集団においては、その遺伝子を持つ個体の生存や繁殖の機会が高まり、逆に遺伝子の頻度が高い集団においては、その遺伝子を持つ個体の生存や繁殖の機会が低くなるという状況を仮定します。この仮定の下では、遺伝子頻度が低いときは世代を経るにつれて遺伝子頻度が徐々に増加していきますが、ある程度遺伝子頻度が高くなった段階で遺伝子の増加がおさまることになります。
増加が止まる遺伝子頻度の値は、その遺伝子が少数であるときの有利さの程度により決まります。サイコパス傾向を促進する遺伝子は、こうした少数者有利の頻度依存選択が働く条件を満たしていると考えられます。そのため、集団中のサイコパスが少数にとどまっているのは、サイコパス傾向を促進する遺伝子に対して、少数者有利の頻度依存選択が働いた結果であるという説が有力視されています(注5)。
(省略)
サイコパスに利用されないために
サイコパスの中にはコミュニケーション能力が高く、一見すると善人に見える人もいます。利害関係が一致している間は特に問題が発生しないことも多いでしょう。公的な場面では通常は契約書などを交わすため、サイコパスの利己的行為により被害が発生したとしても、被害者が法的にそれなりの補償を得られるような対策は比較的容易と思われます。
しかし、プライベートな関係の場合、そのままでは法的保護の対象になりにくい現実があります。自分の関わる相手がサイコパスで、利己的な行動によりこちらが被害をこうむった場合でも相手の開き直りや逃げ得を許さないために、少しでもおかしいと感じたら、やりとりの記録(オンラインのログ、スマホによる録音録画など)を取ることを習慣化するのが有効と思われます。
冒頭で紹介したサイコパス傾向の強いA氏のケースも、仮に当時のA氏の発言が記録に残っていて、証拠として提示されていたならば、責任を取らざるを得なくなった可能性が高いです。第三者、すなわち社会の大多数の人々から批判を受けるような状況となれば、損得勘定の結果として、それなりの責任を取ったほうが本人にとっても有益になるからです。サイコパスに良心や罪悪感をもつように変わってもらうことは困難です。いざというときのために自己防衛するのが現実的な対策と思われます。