高齢となった親から「生活保護を頼りたい」と言われたのですが、どうしたらよいでしょうか。そう、筆者の元に相談がありました。
高齢者の生活保護受給率が問題となっている昨今、このような問題は誰もが人ごととはいえない状況です。
今考えておきたい、高齢者の生活保護について解説します。

●生活保護受給者の半数以上が高齢者
高齢となった親が年金だけでは生活できず、生活保護を頼りたいと考えるのは決して珍しいことではありません。
「令和3年度被保護者調査」によれば、令和3年度において、生活保護の被保護人員(生活保護を受けている方の数)は201万1942人
そのうち65歳以上の方は105万5895人でした。実に生活保護受給者の半数が高齢者となっているのです。
この点を考えると、親から「年金だけでは生活ができないので、生活保護を頼りたい」と言われるのは、決して人ごとではありません。

●生活保護受給の要件は?
生活保護の受給には、世帯員の全員が、利用できる資産や能力などあらゆるものを活用しても最低限の生活を維持できない
ということが前提となります。その上で、親や子など扶養義務者が扶養できない場合に対象となります。具体的には、下記のような
事柄の全てを実施してもなお、最低限度の生活が維持できない場合です。

・預貯金、生活に利用されていない土地・家屋や自動車を売却するなどして生活費に充てる
・可能な範囲で就労する(就労できない事情がある場合はこの限りではない)
・年金やその他給付を受給する
・親族からの扶養を受ける

上記全てを実施しても国の定める最低限の生活費未満の収入となる場合、生活保護の対象となります。
つまり、年金生活をしている親でも、年金だけで生活できない場合は生活保護を受けられる可能性があります。
この場合、年金収入を踏まえ、最低限の生活費に足りない金額のみ生活保護費として支給されることになります。
ただし、最低限の生活費が幾らになるのかはお住まいの地域によって異なります。また、実際に審査を受けて
生活保護の対象となるか否かは、個別の事情や地域によって判断が分かれるところもあります。
詳しくは、親の住んでいる自治体の福祉事務所までお問い合わせください。


ヤフーニュース 12/10(土) 18:10配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/53b5b791be56a60bee2d012a368293ad3b2780d2
元ソース ファイナンシャルフィールド
https://financial-field.com/oldage/entry-174170