校長や教育長に現金・料亭接待、教科書選定の「不正営業」やまず…初の指定取り消しも検討
12/11(日) 5:02 読売新聞オンライン

https://news.yahoo.co.jp/articles/4124c08c02b0f5e9d2bd446174db0cf3b73358d0

 教科書会社「大日本図書」(東京)で今年、不正な営業行為が相次いで発覚した。大阪府では汚職事件に発展し、茨城県では町教育長への接待が判明。7年前の教科書謝礼問題を受け、教科書の営業に関して新たな罰則が加わるなど規制が強化されていた。だが、不正な営業が水面下で続いていた事態に、文部科学省は初の適用を検討している。(福元洋平、古賀愛子)

蜜月
 大阪府警は11月2日、藤井寺市立中の元校長の被告(61)を加重収賄容疑など、大日本図書元役員(65)と部下の社員を贈賄容疑でそれぞれ書類送検した。

 「大日本図書の教科書の評価が低い」

 2020年6月、元校長は教科書選定に関する非公表の内部資料を見て、同社元役員らにこっそり漏らした。元校長は当時、中学校教科書の選定委員という立場にあった。

 同社側は元校長との関係を深め、選定を有利に運ぼうと、電話やメールで接触を重ねていた。元校長は選定用の資料を作る教員名も伝え、こうした見返りに、同社側は飲食接待を繰り返したほか、三重県内でゴルフ接待し、現金3万円を渡したという。

 元校長は加重収賄罪などで在宅起訴され、元役員は贈賄罪で罰金50万円、社員は30万円の略式命令を受けた。

 今年9月には、大日本図書の役員らが教科書業界の自主ルールに反し、茨城県の料亭で五霞町教育長(60)を接待した事実が発覚。同社は「教育長とは長い付き合いで、校長退職の慰労目的だった」と説明するが、関係者は「選定を有利にしたいとの狙いもあったはずだ」とみる。

意識変わらず
 教科書謝礼問題後、大日本図書では社内に「コンプライアンス委員会」を設け、営業上のルール違反がないか弁護士らに意見を聞く体制を整えていた。だが、大阪や茨城の件はいずれも営業担当の役員が関与し、チェック機能は働かなかった。

 別の教科書会社幹部は「大日本図書以外でも、今の幹部クラスは若手時代、ゴルフや接待で教員らに教科書を売り込み、実績を競った。時代が変わっても、組織全体として意識を変えるのは難しかったのでは」と推測する。

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